覚えているうちにゲーム作成時の裏話を書きます。同人誌のあとがきみたいなものです。
このサイトにゲームなんてあったんだ?という人は以下のリンクから遊べます。
Girlstalk with KAIJU
一周遊んでから読んでもらえると嬉しいです。
◆主人公の話
いちばん最初は完全にプレイヤー投影型の線も考えていましたが、このゲームを触ってくれる人のパーソナリティを定められなかったので、すぐにやめました。また、プレイヤーの中には、キャラクターにちょっといじわるをする選択肢がほしくなる人もいるかもしれませんが、二次創作である以上その遊び方は避けたいし…。となると、自然に「主人公→怪獣が大好きな人→アカネ」になりました。ゲーム内テキストの通り、普通の人は怪しい女の子が「私、怪獣だよ」とか言ってきたら電話切っちゃうしね。セリフを書き始めた時にはもう、プレイヤーはアカネを前提としていました。タイトルも最初は「Talk with KAIJU」だったんですけど、女子二人ならガールズトークのほうが相応しいと思って変えました。主人公が誰なのか気づかなかった人が、クリア後にタイトルを見てちょっと面白くなってくれたら嬉しい。
しかしアカネはぜったい怪獣少女に「メガネかけて!」とかおねだりしないと思いますが…ここだけはプレイヤー代表である作者が憑依しました。神様はなんでも知ってるってことで許して。
怪獣好きなら内海くんという選択肢もあったのですが、操作してて面白くなりそうなのはアカネのほうなのと(ごめんね内海くん…)、彼はツツジ台にいるんだから怪獣少女と直接話せばいいじゃんという話になってしまうので、いろいろこじつけてアカネに電話させました。あと、主人公が内海くんだったら地の文でもっとウルトラネタを挟まなければならなくなる…それは私がウルトラに詳しくないので無理でした。
こじつけた理論で一つトピックが書けそうだったので、多次元宇宙の話は電話の内容になっています。
◆二周目の話
最初からプレイヤー=アカネを開示すると、アカネとアンチの会話を期待されてしまい「怪獣少女と喋るゲーム」というコンセプトがぶれる可能性があったため、少なくとも一週目は伏せることにしました。そしたら書きたいセリフと選択肢を作っているうちに「これは一周目の間にアカネと気づかれる…」という塩梅になっちゃった。「私は神だ!」とか、総天然色ウルトラQに反応するあたりとか、露骨ですよね。書いててめちゃ楽しかったですけど。
なので、どうせ主人公=アカネがバレるのであれば、その先にもっと二次創作くさい会話がいっぱいあれば勘がいい人も満足するだろう…ということで、二周目モードを用意しました。このへんからはシリーズの一ファンとして「会話が見てえよなあ!アカネと怪獣少女の会話がよ〜!」と管撒きながら書いてました。なのでふたりの共通項であるグリッドマンやアンチくんの話も出てきます。二周目で選択肢が増えるベタベタな演出ができたのも楽しかったです。
ゲーム個人制作者さんのブログやSNSを見ると「作っているうちにやりたいことが増えてゲームが肥大化する」とはよく目にしていたのですが、これはマジ。
◆怪獣少女の話
一番大事な要素なのに最大の鬼門だった。書いてて「本当に彼女が喋る言葉なのか?」が消えない。あらためてSSSS.GRIDMANの6話を見直したりもしましたが、「この街、外から見る…何もないから」とか、ときどき舌ったらずになるんですよね。ものすごく難しい。ユニバースだともっと喋り方が滑らかに思えたので、こっちに寄せました。ちなみにジュースくれる時の「はい」がおばあちゃんみたいでめちゃくちゃかわいい。ますます年がわからなくなった…怪獣の年齢なんてわからないほうがおもしろいですが。
お疲れ様本の「『あいだ』で同期しちゃった」グリッドナイト同盟の絵が好きなので、メガネとかライブバトンとか2代目要素は積極的に入れました。もしこの絵がなかったら、「あいだ」のアノシラス2代目を二次創作で出す勇気はなかったと思います。
先代の話を入れるにあたって電光超人の6話も見直したけど、カナちゃんの「なにが音の精霊よバッカみた〜い」がキレッキレすぎて大笑いした。
◆アシスタントくんの話
よく倒れる元気な助手くん。絵が出ないので泣き顔は想像してください。
アカネとアンチ(ナイト)の再会は絶対にグリユニに従いたいので、まともな会話はアカネが断固拒否しています。単なる個人の解釈ですけど、アカネってアンチくんのこと安直に「ナイトくん」とか「ナイト」って呼べないと思ってるんですよ。この辺の解釈もゲーム内テキストに落とし込んでいますが…名付け親は自分だし、君はアンチって名前だったでしょという反発心。そう思っていたらヒロインイラストアーカイブで上田麗奈さんが「彼のこと未だにアンチくんって呼んじゃうんですけど」と発言されていたので、心の中でガッツポーズしました。うえしゃまはいつも正しい…いやそういうわけではない。それはそれとしてうえしゃまが完璧な発言をするたびに「おヨメに行くんか?」を反芻してしまい宇宙猫になる。じゃあ、ナイトくんはおヨメに行ったということで…。
アカネが会話を拒否する以上、空気がしんみりしてしまったのでボケてもらいました。この辺の流れは最初から想定していたではなく、書いてる最中に突然思いついたので(本当にゲーム内テキストの通りなんです)、「一つ絶対に面白い部分を入れられたから、ゲームを公開する価値はあるぞ」と得体の知れない勝利感に包まれていました。

